岸田 文雄首相「脱炭素の取り組みを柱とし、経済・社会の大変革に挑む」

21-01-2022

衆議院本会議で施政方針演説を行う岸田首相(出所:首相官邸)

岸田 文雄首相は1月17日午後の衆院本会議および参議院本会議で、就任後初となる施政方針演説を行った。2050年温暖化ガス実質ゼロの目標に向けた「経済・社会全体の大変革」を強調し、送配電インフラや蓄電池、水素・アンモニア、革新原子力などの具体策を掲げ、「脱炭素」の取り組みを成長の柱に据えるとの方針を示した。

首相は演説で、気候変動問題について、「過度の効率性重視による市場の失敗、持続可能性の欠如、富める国と富まざる国の環境格差など、資本主義の負の側面が凝縮している」と指摘し、「新しい資本主義の実現によって克服すべき最大の課題である」と述べた。

また、2050年カーボンニュートラル実現に向けて、「世界全体で、年間1兆ドルの投資を、2030年までに4兆ドルに増やすことが必要との試算がある」とし、日本においても、官民の投資を早急に倍増させる考えを表明した。

具体策としては、送配電インフラ、蓄電池、再エネはじめ水素・アンモニア、革新原子力、核融合など非炭素電源。需要側や、地域における脱炭素化、ライフスタイルの転換、資金調達の在り方、カーボンプライシングなどを挙げ、今後、これら多くの論点に方向性を見出していくとした。

さらに、水素やアンモニアなど日本の技術・制度・ノウハウを活かし、世界、特に「アジアの脱炭素化」に貢献していくと述べ、今後「アジア・ゼロエミッション共同体」を、アジア有志国と協力して構築することを目指すと明言した。


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