太陽光発電(営農型太陽光発電)

20-12-2021

営農型太陽光発電とは、農地で農業生産を行いながら、支柱を立てて上部に太陽光パネルを設置することで発電も行う仕組みです。発電によって得られた電気を売ることで収入を得たり、農機具や施設園芸の電源として利用するなど、農業経営のさらなる改善が期待されます。実施にあたっては、太陽光パネルを支える支柱の基礎部分について、農地法に基づく一時転用許可が必要になります。また、毎年農業委員会に、一時転用許可期間中の農作物の生育の状況を報告することになります。なお、作物の種類や生育環境によっては、収量や品質の低下が発生することもあるため、栽培する作物や遮光率は慎重に検討することが必要です。

再生可能エネルギー

営農型太陽光発電設備の設置が進む一方、発電設備の設置が作物の収量や品質に及ぼす影響に関する情報はまだまだ少ないのが現状です。そこで静岡県では、同県の特産物の中でも、生育特性などから営農型太陽光発電での栽培に適していると考えられる茶、ブルーベリー、キウイフルーツについて、発電設備の下での収量、品質および作業環境などへの影響を調査しました。


ブルーベリーとキウイフルーツでは、遮光率が30パーセント程度において、また茶では遮光率が50パーセント程度でも、開花や収穫の時期に変動があるものの、収量や品質への影響はないことが明らかになりました。
また設備の設置によって日陰ができ、特に夏場の作業環境が改善されたこと、茶では、凍霜害が発生しにくくなったり、キウイフルーツでは、風雨に当たりにくくなったことで果実軟腐病や傷、汚れ果が減少するなど、発電機を設置したことによる効果も見られたそうです。

営農型太陽光発電

一方で、支柱の配置や間隔を作業の際に支障がないように設計したり、品目によっては枝がパネルを覆うことで発電の効率が低下しないよう、管理を徹底することが必要であることなども明らかになりました。

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