昨年に続き「令和4年の大雪」も太陽光に爪痕、滋賀や群馬で倒壊
雪荷重で軒先が屈曲
アレイ軒先の斜材が雪による沈降荷重で折れ曲がる損傷は、雪害でよく見られるケースで、福島県喜多方市の低圧連系サイトでは、パネル横置き・4段のアレイで最下段のパネルがお辞儀をしたように屈曲した。この場合、押さえ金具でパネルを固定していると、外れやすくなる。千歳市の低圧分割サイトで、大規模に斜材が曲がったにも関わらず、パネルがほとんど外れなかったのは、パネルフレームをネジ止めしているからだ(図27)(図28)。
パネルの固定方法には、パネルのフレームを上から金具で押さえつける「支圧接合」による固定と、フレームと架台を直接、ねじで止める「摩擦接合」による方法がある。押さえ金具は、パネル2枚を同時に固定でき、架台上側から作業できるためコストが安く、多くのサイトで採用されている。ただ、積雪時のパネル外れが起きやすいことが分かっている。
群馬県片品村の低圧連系サイトでも、押さえ金具でパネルを固定していたため、斜材先端の屈曲に伴いパネルが外れた。一方、彦根市の高圧連系サイトでは、アレイの一部に雪荷重によると思われる下側への屈曲が見られるものの、パネルをネジで止めていることもあり、パネル外れはまったく見られない(図29)(図30)。
また、会津若松市の高圧連系サイトでは、アレイ中段に隙間を空けることで、雪を滑り落とし、軒先にかかる雪荷重を軽減させる設計を採用し、ある程度、効果を上げている。パネル横置き・4段のアレイだが、2段と2段の間にすき間を設けた。ただ、この冬の大雪では、それでも一部のアレイで軒先の屈曲が見られた(図31)(図32)。
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